ぼんやりしている間に、いつの間にか三が日も過ぎてしまいました。
皆さん、よい年明けは迎えられましたでしょうか?
俺は昼過ぎまで寝ておりました。
気が付けば、課題にも一切手をつけず、もうここまで来てしまいました。
もうどうすりゃいいのやら。
年が明けてから、書きたいものがあったのです。
それを一年の最初の更新にしたいと思ったのですが、全く書けない。
飽きないうちに、頑張って書こうとは思うのですが・・・。
あ、ちなみに相変わらずのMoiraでございます。現代もの。
設定を考えているうちは楽しいんですけれどね。
そんな訳で、何やら書こうと思って失敗したものを晒してみようと思います。
意味不なレオンの独白。
プロローグなのか、物語の途中での心境なのか分からないのですが。
相変わらず病んでます。もうあれです。うちのレオンの病みはデフォです。
そういうことにしておいて下さい。
あー、ホラーが書きたい。
雑踏の中を歩く。
見も知らぬ人の波の中を、流されるように歩いていた。
別に何を聞くわけでも、見るわけでもなく、ただぼんやりと早足に。
見知らぬ他人の足を止めぬように、邪魔にならないように、急く様に歩いていく。
どうして私は歩いているのだろうかと、何となく思った。
生きていることに意味などあるのだろうかと。
生きている意味など、生きている中で得るものだと分かってはいても、疑問が潰えることはない。何かの拍子にふいに頭を擡げては、答えを出せずに終わるのだ。
本当に、自分である必要があるのかと。他にも人はいるはずなのに。
ただ彼らの子に生まれたというだけで。最も早く彼ら二人の間に生まれたというそれだけのことで、全てを享受することが出来るなど許されていいのだろうか。
もしも、私が妾の子供だったならば。
もしも、私が生まれる前に両親の間に子供がいたならば。
けれどそんなことを考えたところでなんの意味もない。
いくら現実を捻じ曲げた、終わってしまった可能性を考えたところで、現実は決して捻じ曲がって変化したりはしないのだから。
私が生まれながらに与えられた幸福など、変わりようもないのだから。
だから本来、私はそのようなことに頭を悩ませる必要などないのだ。
当たり前に幸せを享受し、当たり前のように傲慢に、あるいは残酷なほど優しく振る舞えばいい。
どこにも卑屈なる要素などないのだから。
いや、それも少し違うのかもしれない。この思考は卑屈であるとかそういうことではなくて、自分とは違うだれかを無意識に貶めているだけなのかもしれない。
自分は恵まれていて幸福で優れていて、他の人間は劣っているのだと、無意識に考えている結果なのかもしれない。
王たれと、教えられてきた。
人を使う術と、いかに自分が他の人間とは違うかを教えられて生きてきた。
全てを、教えられたままに覚え、教えられたままに考え、振る舞っていればきっと楽に生きられたはずだ。
どれほど傲慢に見えても、それに見合うだけの結果を出すことさえ出来ればなんの問題もない。
現に私は期待されるだけの働きは容易くこなして来たのだから。
それでも私は愚かなことに、思考を無駄な考えに割いている。
生きていることに意味なんてない。生きることに意味なんて必要ない。
私に価値なんてない。私の価値は何時だって変動し続けているのだから。
人波の大きな流れから逸れる。
それまでの息の詰まるような、無意味に急かされているような緊張感から解き放たれる。
それまでの徒競走のような歩き方から、速度を下げてのんびりと歩く。
こんな風にのんびりと歩くように生きられたらいいのに。
この道程も私の人生も目標の決められた道行だけれど。
ふらふらとどこかに立ち寄ったり、初めて会う誰かと談笑してみたり。
ゆらゆらと揺れながら進むことが出来たなら。
私に与えられた本当の自由はあまりにも少ない。
死ぬことも出来ず、生きるでもなく、酷く中途半端な私は、まるで糸に釣られた道化のようだ。
誰にも話すことは出来ない。誰にも気付かれてはならない。
それでも、いつか誰かに気付いて欲しいと心のどこかで思っているのだ。
この瞳の奥に潜む死に。
私が私を殺したことに。
たとえそれが私を破滅に追いやるのだとしても、それでも。
それでも私は。
ぼんやりと物思いに耽っている間に目的地に着いた。
私は気持ちを切り替えて、きびきびと歩く。
背筋を伸ばし、胸を張り、風を切って、堂々と生き生きとして。
人の上に立ち、世界を背負うために生まれてきたのだから。
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